認知症は、単なる物忘れとは異なります。なぜなら、認知症は、脳に異常が起こることによって生じ、記憶障害や時間や場所について認識できなくなる見当識障害を起こすことも少なくないからです。また、人によっては、暴言や暴力行動を起こすこともあり、看護の現場においては接し方が重要になります。
ちなみに、認知症は原因によって、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症、脳血管性認知症の3種類に分けられます。アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドというタンパク質が蓄積することによって生じるのが特徴です。一方、レビー小体型認知症は、脳の神経細胞にレビー小体という物質ができることで発生し、幻視を起こすケースが報告されています。また、脳血管性認知症の原因は、脳梗塞や脳出血によるものであり、身体がマヒしたり、言語障害を併発したりします。そのため、タイプによって異なる症状を持つ認知症患者を看護する時に頼りにされているのが、認知症認定看護師の存在です。認知症認定看護師とは、認定看護師のひとつで、認知症に関する知識と経験を持ち、専門教育を受けた看護師が取得できる資格です。
認知症認定看護師は、専門的な知識に基づいて看護を行うため、看護師の指導者としての役割も担います。高齢化に伴って増え続ける認知症患者の対応には、多くの看護師がストレスや悩みを抱えます。しかも、安全を優先して患者の行動を抑制すると、問題になることも少なくありません。そのため、専門知識を持つ認知症認定看護師は、認知症患者の意思表示をサポートしたり、心身をケアしたりする際のキーマンとなります。ですから、認知症患者の生活の質を向上させる鍵を握る認知症認定看護師の存在は、今後ますます重要になっていくでしょう。認知症認定看護師については、【http://what-dementianursing.com】にも紹介されているので、併せて読むとより理解を深められるでしょう。