看護師が高齢者と接するときの注意点

年々高齢化が進む日本では、看護師の仕事においても高齢者を看護する機会が増えています。その際、高齢者は、個人差はあるものの、スムーズにコミュニケーションを取ることが難しくなるので、いかにして円滑な意思疎通を図るかが看護において重要なポイントとなります。

例えば、耳が遠くなっている患者に対しては、大きな低い声でゆっくり話すようにしなければなりません。また、車椅子を使っていたり、腰が曲がっている患者に対しては、自らもしゃがんで同じ目線で会話をし、相手との距離を縮めることを意識する必要があります。さらに、高齢者によっては、回りくどい説明を嫌う人もいるので、そのような場合は病状や治療内容などをなるべく簡潔に伝えるようにすることも大切です。

それから、高齢者になればなるほど、自らの意見に固執するあまり、頑固になる傾向もあります。ですから、もしも患者の意見と医師の考えに齟齬が生じた場合には、なるべく患者に寄り添うようにして、感情を高ぶらせないようにすることも看護師の役割の一つです。そして、患者の考えを尊重しつつも、なぜ医師が異なる考えを持っているのかをやんわりと伝えて、徐々に医師の考えを理解してもらうように配慮しなければなりません。

ただし、高齢者といっても基本的には一般の患者と大きく異なるわけではありません。そのため、必要以上に過保護に接することは避け、あくまでも接し方を工夫するようにするのがポイントです。